きんぴら工房の成り立ちとこれから



きんぴら工房は、そもそもパン屋ではありませんでした。
創造性のある仕事をしたいという理由から、30年前に安曇野市堀金村に、自分で丸太小屋を建て、自然派の食堂としてオープンしたのが始まりです。

当時の主なメニューは、おやきと、うどんと、玄米定食。
その後、妻との結婚を機に、同県の塩尻市に引っ越すことになりまして、そこから、国産小麦粉を使った天然酵母パン屋として歩き出していくことになったのです。

当初から意識してきたことは、兎に角、美味しくて安全なパンを焼くことでした。
原材料も可能な限り地元のものを使い、地域に根を下ろしたもの作りをしたいと考えていましたので、まずは、この地でパンを作るのに適した品種を探すところから始めました。

当時、安曇野で栽培されていたのは、農林27号と白根と呼ばれる2種類の小麦でした。
県の原種センターの所長さんからは、それらで十分、パンは焼けるとのアドバイスを貰いましたが、実際に試し、使ってみると、残念ながら、思い浮かべていたようなパンを焼くことは出来ませんでした。
しかしながら、その所長さんが話してくれた、『中国満州で食べた黒パンはほんとうに美味しかった』『全粒粉は粗挽きでないと美味くない』という二つの言葉は、長年、ずっと頭の中にとどまり残り続けていました。

現在、きんぴら工房で作っているパンは、 一部の生地を除き、全て自家栽培、自家製粉した粗挽きの全粒粉を混ぜ加えています。
普通の精製粉と比べて、発酵速度が早くなり、香りも豊かなものになります。
また、なんといっても全体食なので、より多くのミネラル類を摂れるというのが大きいですね。

現代の多くの人々が体の不調を訴えるのは、やはりミネラル不足が大きな理由であるように思います。
農薬や化学肥料を一切使わない、自信を持って食べられる麦を。
常により良いパン作りを追求し、精進していきたいと考えています。

きんぴら工房の主な活動内容

◎無農薬有機栽培による農作物の自給(麦・米・カボチャ・ぶどう・柿・栗・ジャガイモ……etc)

◎自家製天然酵母パンの製造および販売

◎山林の里山整備による間伐材の有益利用(きのこ栽培・炭焼き・薪つくり・有機資材・その他)

パンに関するこだわり


【自家栽培の荒挽き全粒粉】
・栽培、収穫、製粉も含め、最初から最後まで全ての作業を、自分達の手で行っています。
 無農薬有機栽培で、種類は、ライ麦、黒小麦、ハナマンテンの三つ。
 荒挽きの粉を使用したパンは、味も香りも栄養も、やはり抜群に違います。

【30年間育て続けた天然酵母】
・開店当初から30年間、レーズンを使用した液種を足し継ぎ、育て続けてきました。
 寒冷な信州の気候に適応した、酸味の少ない天然酵母の味をお楽しみいただけます。

【生活クラブの牛乳、卵、マヨネーズ】
・100%非遺伝子組み換え、ポストハーベストフリー飼料で飼育した牛からとれる低温殺菌牛乳。
風通しのよい良好な飼育環境下での国産鶏種「さくら」「もみじ」の卵。
原材料全てにこだわった、化学調味料(グルタミン酸ナトリウム)抜きのマヨネーズを使っています。

【ゲランドの塩】
・フランス、ブルターニュ半島南部のゲランド一帯で、先祖代々、手作業で収穫される、高ミネラルの海塩です。
 国産のように釜で炊くこともなく、完全に風と太陽の力だけで結晶化を進めているのがウリ。

【マスコバド黒糖】
・かつて「飢餓の島」とまで呼ばれた、フィリピン、ネグロス島で有機栽培されている黒糖です。
 精製などすることなく攪拌、自然乾燥させているため、風味やミネラル成分も豊富。
 沖縄の黒糖と比べると、クセも少なく、どんな料理の味にも合います。
 フェアトレード商品であり、同島の農民達の自立支援にも一役買っています。

【すべての原材料をわかりやすく表示】
・きんぴら工房では、通常、商品の裏に記載される原材料を、商品の顔である表面に記載しています。
これは、ひとつひとつの原材料に興味を持ってもらいたい。
商品ができるまでの背景を、もっと意識して欲しいという想いからきています。