きんぴら通信。2011年3月号

  • 『ニホンカモシカの捕獲』 by 店長
    お店の周りは鳥獣保護区となっている。2月の末にそこに5匹生息しているだろうと思われるニホンカモシカが2頭撃ち殺された。なぜ特別天然記念物に指定されている貴重な動物を殺さなくてはならなかったかと店長は気になった。県の自然保護担当課に連絡を取ると丁寧な返事の電話が入り、その後執行機関である市の農林課からも担当者が訪れ説明をしてくれた。
    丁寧な対応だったので、店長ブログに載せていたニホンカモシカの狩猟の際の記事は削除することにしたが、担当者から聞いたことを通信で報告しないといけないなと思った。その記事の削除後に野鳥の会の友達からもどうだったの?と聞かれることがあった。県外からくるお客さんも犬の散歩をしてる近所の方も、ここに住み着いているニホンカモシカには愛着を持ってみている。野鳥や泉やニホンカモシカの写真を取りに来ている人も結構いる。自然保護に関してはやはり関心のある方がたくさんいる居るということだ。
    なぜ殺されたのかというと近年毎年のようにカモシカの害と思われる被害があるそうだ。具体的に今回その害を聞いたところ一番は植林した檜の苗木の芽を食べられてしまうという事で、被害者の願い書と被害状況の画像を添えて県から捕獲の許可を取り執行したということだった。ところがその被害の出ているところに今回殺されたニホンカモシカはどうも関係ないのではと店長は思った。家族で3から4頭の群れをなして縄張りを持ち、定住しているニホンカモシカは行動範囲が非常に狭いそうです。山に近年良く入っている店長がニホンカモシカを見るところはもっと里山の部分で、山向こうの斜面の害は現地に住む他のシカだろうと考えるほうが妥当でしょう。
    捕獲という名目だが狩猟を意味している。県の担当者は被害を出来るだけ小さくするための数の調整で、絶滅に至らないようにと考えてやっていますという。しかし担当者が言っている数の調整とはお店の周辺に住むニホンカモシカの数ではなく、県単位や市の単位である。今回は市に住んでいるだろうと思われている50頭の中の2頭と考えているようだ。この50頭という数も本当かなという思いはありますが、ニホンカモシカではなくて、数から考えるとニホンジカと勘違いをしているのではないだろうか。
    子どもを含めて5頭いた内の2頭を無くしてしまった。残ったシカがメスなのかオスなのかも調べずに殺している。果たして数を増やして絶滅しないでいられるだろうか。
    近年ニホンジカが温暖化の影響で急激に増え続けて、ニホンカモシカのテリトリーに入り込みニホンカモシカの数がますます減っているということです。減っている貴重なシカを増え続けて害を与えているニホンジカの代わりに撃ち殺してしまったという現実だと思います。
    今回の事を教訓に県や市の担当者がもっと細かな調査をして同じ間違いをしないでくれることを願っている。
    話は少しずれるが、観光とはそこに住む人の暮らしや自然を観にいくもので、お土産物や名物を創りだすものではないと思っている。それに作り出すには相当な時間と努力やエネルギーやお金が必要となるだろう。地域に根ざしたB級グルメ一つとっても容易なことではない。桜の名所を作るにも簡単ではないのだ。お店や平出遺跡に来た人がニホンカモシカを見てとても喜ぶ姿は他ならない貴重な観光資源だったはずだ。その事に気づいてほしい。
    ニホンカモシカについての情報は以下サイトを御覧ください。
    カモシカ君 http://www.j-serow.com/index.html
    まうごてん http://www.maugoten.com/kamoheya/nichikamo.html
  • 『山形の友達に会いにゆく 続き』by店長
    喜多方の元祖ラーメンは期待していた程ではなかったというのが本音だった。うまいまずいの味については食べた人の好みによって違うのでこれはこれでいいと思う。こういった時はお店の中での会話ははずまない。店を出てっ車に戻る時に歩きながらお互いの顔を見合わせてああだこうだと感想が出てくる。やはり葉くんも同じ感想を持ったようだ。
    さて、ここからは大急ぎで山形市のゆっこさんのまつ伊東家に向かう。今まで走ってきた細い山道ではなく、国道13号線はいかにも幹線道路という道で、いやいや高速道路かと思わせる道で殆どの車が70から80キロで走っている。その流れに乗りながらあっという間に目的地の山形市の小立交差点に着いた。交差点を右に曲がると斜めに左に入っている道があり、どうやらこのすぐ先らしい。車を側道に停めて車から降りていよいよ一軒一軒表札の検証となった。オットー1件目から当たりである。
    一度も迷うことなく伊東家に到着できた。
    門から車をゆっくり入れた途端に玄関戸が開いてゆっこさんが出てきた。「お疲れさまでした どうぞ中へ」『ずいぶん待たせてすみませんでした』おみやげの荷物だけ下ろして早々にご自宅に上がらせていただきました。中では先に来ていたお客様と伊藤さんはお酒を飲んでおられ、ご機嫌よろしく顔を赤くしていた。ニコッと笑顔でようこそと言ってくれた。テーブルの上には刺身やら手つくり料理が並んでいて、どうぞどうぞと、苦手なお酒を継がれ葉君も店長と同じようにテンション上がっていたことでしょう。その日の夜はたいそうお腹いっぱいになり、昼間の疲れと、柔らかな布団のおかげでぐっすり眠りに付きました。  (つづく)
  • 『蒼ざめた馬』by 葉
    先日ふとした拍子に、新潟の長岡駅前にある古本屋の事を思い出した。
    決して大きな店ではないが、古い児童書や図鑑なんかも置いてあったりして、見ていて楽しい店だった。
    そんなことを考えている内に、何だか居ても立ってもいられなくなって、松本市内の古本屋をいくつか巡ってみることにした。
    最初に訪ねたのは秋櫻舎という店だった。
    以前は縄手通りにあったのだが、今は少し離れた場所に引っ越してしまったとのことで、場所が分からず探すのに意外と時間が掛かってしまった。
    通りを二、三本間違えた後、ようやく目印である中村屋種苗を発見した。この隣の店が秋櫻舎のはずだが……あれ?
    店内がやたらと暗い。おまけにカーテンが降りている。
    あ、何か嫌な予感……。
    恐る恐る扉に手を掛けるが、思ったとおり動かない。バッチリ鍵が掛けられている。どうやら今日は閉店日らしい。
    何てこった……、出鼻を見事に挫かれてしまったぞ。
    ちょっとだけ足が重くなる。
    他も全部閉店してたらどうしよう…………いやいやいや、幾ら何でもそんなことは無いだろう。多分。
    気をとりなおして次の店に向かうことにしよう。
    地図を片手に蔵シック館の周りをうろうろと徘徊する。狭い路地を左に曲がる。と、電柱に『細田書店→』の看板が書かれているのを発見した。良かった。今回は割と簡単に辿りつくことが出来たみたいだ。
    更に幸いな事に細田書店さんは営業していた。
    良かった。本当に良かった。小躍りしながら店へと入る。
    店の奥のカウンター、半分本に埋もれるようにお婆さんが座っていた。店内に人影は見えない。時間帯にもよるのだろうが、やはり昔と違ってあまり繁盛していないのかもしれない。
    細田書店は山岳関係の本が多く並べられているようだった。棚に収まりきらない本が腰の辺りまで積み重ねられて、あちらこちらにちょっとした地層の山を形成している。
    埋もれて見えない下の方、奥の方には何か面白そうなものが化石みたいに眠っているのかもしれないが……、下手に触れると土砂崩れを起こしそうで、怖くて結局手が出なかった。
    大人しく棚の本を物色する。様々な本が並ぶ中、カーキ色の下地に水色の挿絵が描かれている本が目に入ってきた。
    タイトルは……『蒼ざめた馬』。
    たしかキリスト教だか何だかで、そんな単語が出てきた気がする。
    カバーから出してパラパラと目を通してみる。どうも外国の小説らしい。訳されているし、それほど読み難くは無さそうだ。
    値段も五〇〇円と、それほど高い金額ではない。一通り店内の棚を流し見たが、他にコレだ!というような手頃な本は見えなかったので、今回はこの本を購入することにした。
    内容は読んでみないと判らないので、まずは装丁を基準に本を選ぶ事にしている。
    だから古い本の方が造りが凝っていたり、いい具合に色が変色したりしていて個人的には好感が持てる。
    普通の本屋には予め買いたい本を決めてから行くが、古本屋に行くときは買いたい本は決めて行かない。価値が有るのか無いのか判らない、見つける瞬間までその存在すら知らなかった本を手に入れる。古本屋を探して町を徘徊するところも含めて、まるで宝探しでもしているような気分が味わえる。
    そこがアマゾンやTSUTAYAでは決して得られない魅力だと思っている。
    店のお婆さんに本と代金を渡す。本を紙の袋に入れて貰って店を後にした。
    えーと、ここから一番近い店は……次はアガタ書房に行ってみようか。
    <つづく>
  • 「お知らせ」
    ■クリスマスに食べるお菓子《くすすたるか》
    もうしばらくでおしまいとなります。
    ■3月20日(日)恒例春のパン祭り
     3月21日(月)臨時営業します。
    普段焼いてない創作パンが並びます。
    値段設定も2割ほど安くします。ただしポイントは付きませんのでよろしくお願いします。
    ■自家栽培、各種全粒粉販売中
    ホームページの『きんぴら農園直売所』から通販の受け付けをしています。
    ■農事ボランティア募集中です。
    ・薪つくりとキノコのホダ木作りや菌打ち作業も行います。興味のある方は是非ご連絡下さい。
    ■月末恒例夜の食堂『ラ・ピンキ』
    3月は26日です。只今受付中です。
    ■3月中に自給自食支援施設を作る予定でいます。今のところきんぴらで少しずつ購入してきた農機や製粉機などの貸し出しを考えています。維持費やもしやの修理のことを考えて会員制にすることにしました。年会費1000円で使用料はできるだけ安く抑えた価格を考えています。興味のある方は連絡をください。
    ■きんぴら工房ホームページ
    ・イベント案内、パンや小麦の通信販売、農園ブログ等があります。<
    前号へ
    次号へ