きんぴら通信。2011年4月号

  • 『ついに起こってしまった大きな原発事故』 by店長
    チェルノブイリの原発事故後日本にある原子力発電事業に店長も関心を持ち、それ以後これは大変なことなのだという気持ちを抱いていた。パンの包装袋にも原発反対のメッセージを載せて2年間ほどパンを売っていたが、諸事情等でそれはやめていた。しかしながら、いつか日本でも起こるだろうなという変な確信があった。それは原発事業に関わるマイナス面をについて、電力会社ではもしもの事を考えて2重3重に対策が取られており安全に出来ている、という言葉で押し通し細かな対策説明をしてくれないこと。原子力に関わるあらゆる面でのマイナス面を先ずは隠そうという姿勢があったからだ。昨日のテレビでも原発費用は一番安くて発電量の効率が良いと説明されていたが、実際はとんでもない。やめない限り一方的に増え続ける放射能を出すゴミの始末の費用は全く入れていないし、高速増殖炉もんじゅについては設計開始された1968年から1995年ナトリウム事故で停止までの経費を入れて1兆4千4百億円掛かっています。未だ1度もまともに運転されていないのにその後の維持管理費は今でも毎日5500万円使っているのです。六ヶ所核燃料再処理工場は日本原燃株式会社による建設ですが、電力会社が出資しています。その負担は当然電気料金に掛かっています。建設費は当初7600億円でしたが、現在は2兆1930億円に膨らんでいるそうです。政府の大型予算や交付金は最初は小さく出て、始まると信じられないくらいの予算が使われています。庶民感覚からすると、いいかげんにしろと言わざるをえません。
    今問題になっている福島第一原発の3号機は使用済みの核燃料のプルトニウムを燃料に混ぜて使っています。「プルサーマル」というそうですが、プルトニウムは半減期が2万4000年で、放射線はアルファ線である為、他の放射能と比べ体内に入ると強い発がん性を持っています。原子力安全保安院はこれを海に流して薄めると安全性に問題がないと言っていますが、とんでも有りません。海水も魚も移動しています。少しの量でも、食材として摂取すれば体内被曝になります。残念ながらとれた魚の放射線量のチェックをしないでは日本の漁業は成り立たないでしょう。
    メディアではデマに惑わされないようにと訴えていますが、放射能に関する専門家は原発推進派(テレビの中)の人達ばかりではありません。何年もかけて話し合いで設けた安全基準を、日本だけ厳しいなどと言って基準を無視して全く危険ではないと言っていたり、外国ではこの地域の2分の1レベルの放射線量で避難範囲になると指摘されても、日本の放射線量の調べ方が良いのだと決めつけて、避難地域を広げていないのも、国民の気持ちからすると万が一のことを思うと出来るだけぎりぎりで非難させるよりもゆとりのある内に非難してもらうのが良いと思うが、どうもそうはならないように感じてしまう。マスメディアでも安全性については国民寄りの専門家の話にも是非耳と目を傾けて欲しいと思います。
    ちなみに静岡県にある浜岡原発は敷地内に4本のH断層があります。いつ起こっても不思議ではないと言われている東海地震では気象庁の津波の想定は8メートルで5分以内に来るとなっていますが、電力会社で浜岡原発の設計に関しての想定は津波の高さは6メートルとなっているそうです。補助電力を取るための燃料タンクは福島と同じで海側に置かれており、津波が来たら流される可能性が高いと考えられるでしょう。今止めて改良しておかないでどうするのでしょうか。というか起こったときには即壊れると言われている日本で一番危険な原発なのです。
    福島原発の事故後浜岡原発の地元市長さんは3回停止の請願書を出していると聞きました。
  • 『惣菜眞髄』by 葉
    先月の続き。松本市内の古本屋、細田書店で『蒼ざめた馬』というタイトルの本を購入した後、今度は同じ通りにあるというアガタ書房に行ってみることにした。
    地図を片手に右に左に視線を回し、注意しながら通りを歩く。同じ通りなんだからそこまで注意しなくても……とか思ったそこの貴方、甘い!甘すぎる!うちのあんぱんのように甘すぎる!
    古本屋の店構えは基本的にかなり地味。その上大抵大通りから少し外れた狭い路地裏なんかにあるから、正直とっても見つけ難い。
    僅かな油断が命取り。最悪の場合、本を物色する前に店を探す段階で、全ての気力体力を使い果たしてしまいかねないのだ。
    そんな訳で、店を見落とし辿り着けずに彷徨う事にならないか、まさか既に閉店したり引越してたりしないだろうな……あれこれ不安に思っていたが、アガタ書房に関しては特に何のトラブルも無く意外とすんなり発見できた。やはりそれほど大きい店ではなかった。店構えも大人しく決して主張してはいないが、それまでに訪れた秋櫻舎や細田書店の二店と違い、店の軒下に特価本が並んでいた為、営業中の古本屋だということが一発で判ったのだった。特価本のコーナーをざっと軽く眺めた後、いよいよ店の中へと向かう。扉を開き、足を踏み入れようとして――店内の様子に、一瞬、我が目を疑った。
    汚くて驚いた訳ではない。その逆で、あまりのキレイさに驚いたのだ。
    音を立てて崩れてきそうな本の地層が見当たらない。
    店内の本はジャンル毎に整理され全て棚に収められている。
    照明も白く明るいもので、部屋の隅まで照らされている。
    薄暗い不潔な雰囲気など何処にもない。
    そして何より……トドメとばかりに店内にはおシャレなジャズが掛けられていたのだ!
    おかしいぞ。何なんだこの素敵空間は。
    古本屋というのはもっとこう薄暗くて黴臭くて不穏な空気の漂っている場所のはずだ。(←失礼)
    古本屋に対する偏見に満ちた自分の観念がガラガラと崩れていく音が聞こえてきたが、カチリと気持ちを切り替えて一つ一つ棚を廻って面白そうな本を探し始めることにする。細田書店が山岳関係の本を揃えていたのに対して、アガタ書房では様々な分野の本が広く浅く並べられていた。強いて言うなら音楽関係の古本を割と多く扱っているように思えた。流石、店内にジャズを流しているだけのことはある。
    店内は三十分程で見終わってしまった。きちんとキレイに整理された本棚は確かに見やすく手に取りやすいが、単純な本の物量は混沌としている細田書店の方に軍配が上がりそうだ。うーん、やっぱり個人的には細田書店の方が何が飛び出てくるか判らない肝試し的スリルがあって好ましい。
    あれも良い、それも好い、いや待てこれも捨てがたい……悩んだ挙句、結局『惣菜眞髄 萩舟家庭料理百講』という古汚い昭和四年の料理本を購入することにした。内容もそうだが、何より本の装丁や挿絵が気に入った。抹茶色の布張りの表紙に鮮やかな赤文字の題名がよく映えている。更に表から裏にかけて蔓植物の挿絵の凹みが付けられていて、触り心地がとても良い。ずっと表紙を撫でていたくなる。細部にまで拘った丁寧な造り。今と違って昔は本当に本が高級品だったんだなあとつくづく感じ入ってしまう。まあ、今でも本は高いけど。何というか、情報としての価値よりも、物質としての価値が高かったような気がする。電子書籍がこれほど持て囃されているのも、情報としての価値が幅を効かせて、紙質とか装丁とかそういった価値が蔑ろにされてきたからじゃないのかなーとか。現在作られている本達がこの先古本になっていった時、果たして魅力的な古本足りえるのかというと、……どうなんだろうなあ。と、少しばかり寂しい気分を味わいながら、その日は帰路に着いたのだった。
  • 「お知らせ」
    ■パン祭りの売上金の2割とカンパ箱のお金を日赤に募金いたしました。土曜から月曜までの3日間でカンパ箱には7,526円がたまった。我が家の息子達も少ない小遣いから小銭を集めて想像するに少額を入れてくれたようだ。それに加えパン祭りの売上から12.220円をカンパすることにしました。それから鳥の絵葉書を置いてくれている野鳥写真家の柳田さんがはがきの売上金を全部カンパしてくれました。有難う御座いました。
    ■先1年間ポイントカードを休止いたします。売上の1割を募金に回すためです。
    ■緊急支援として石巻市を中心として支援物資の届かない所へのパンの配送を始めました。材料代運送代が掛かってきます。お店のカウンターのカンパ箱に集まるお金をそちらへ使いたいと思います。しばらく向こうの状態を見ながら毎週水曜日を被災地へ送るパン作りの作業をします。
    ■月末恒例夜の食堂『ラ・ピンキ』
    4月は30日です。あと6名様只今受付中です。
    ■4月中に自給自食支援施設を作る予定でいます。今のところきんぴらで少しずつ購入してきた農機や製粉機などの貸し出しを考えています。維持費やもしやの修理のことを考えて会員制にすることにしました。年会費1000円で使用料はできるだけ安く抑えた価格を考えています。興味のある方は連絡をください。
    色々と頭と体が回らず止まったままです。
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