きんぴら通信。2013年10月号

  • 『夜のマーケットは先細りしていくのだろうか』 by店長
    いやー、久しぶりに店ネタですね。
    10月13日、日曜ですが、恒例となった夜のマーケットであります。
    ところが、店長が積極的に参加者や来場者の勧誘宣伝をしないために、なかなか盛大にはなってこないように感じている。
    つまり先細りなのである。
    お店の軽食メニューや、パンの種類も変化なく、マンネリ化している状態だ。
    30歳で結婚するにあたって、克子さんから、もう職を変えないでくれと言われたので、勤めという考えを捨て、とにかく創造的な仕事をやり続けられる自営でいたいと思って、きんぴら工房を始めた。
    あの頃の店作りは本当に楽しかった。
    メニューを考えるのも、作り方も、お客さんとのやり取りも、どれも皆楽しくてしょうが無かった。
    どうやってお客さんを驚かせたり、楽しんでもらったり、満足して貰えるかと、いつも創意工夫で頭を悩ませ楽しんでいたっけ。
    シチューや、ゆで卵のお焼き、三角片の手打ちうどん、10種類以上の手作り野草茶。
    丸太小屋の二階で、少ない常連のお客さんを呼んで、パンとシチューを食べながらビデオテレビを見ましたね。小さな、そんな丸太小屋に通ってくれた一組のアベックさんが、やがてプロポーズの場所に使ってくれました。
    今でも色々とありますが、店長はお店作りのわくわくよりも、今は原材料生産農業者としてのわくわくを求め始めていることに間違いないようです。
    早く、お店の裏方に身をひるがえしたいのであります。
    息子達よ、勝手ながら、そんなんで宜しく。
  • 『のりくらくら』 by葉
    前回の続きということで、先日……というか、
    先月ですけど、乗鞍岳を自転車で登った時のお話をします。
    そもそも何で、ロードバイク初心者の自分が、
    こんな無茶を試みたかというと、
    動機はごくごく単純で、
    「坂道を登ってみたかったから」です。
    もうちょっと丁寧に説明すると、
    「始めて間もない今の力で、どの程度まで、ちゃんとした坂道を登ることが出来るのか?」
    ということを、一度、体験してみたかったというところですかね。
    初心者だからこそ登る。
    今後、自転車に乗り続けるにあたって、
    やっぱり、始めた当初と比べて、どれくらい早くなったかを、後々比較出来た方が、得した気分になれそうかなと。
    有名どころということで、他の人達のタイム情報を、確認しやすいということもあります。
    さてさて。
    今回は、乗鞍ヒルクライムという大会の出発地点。
    乗鞍観光センターに車を停めて、
    ここから、上を目指します。
    後部座席から自転車を下ろし、周りを見ると、おぅ、いるいるいるいる。
    派手なジャージにヘルメット。高級そうなロードに乗った、自転車漕ぎが大勢いました。
    平日だというのに、この人数……。
    なかなか業の深い世界です。
    サイクルコンピューターをセットして、
    早速、坂に挑戦開始。
    まだこのあたりは傾斜がなだらか。
    別荘、ペンション、喫茶店を抜け、
    林の中をこぎこぎこぎこぎ。
    しばらく進むと前方に、4人組のロードを発見。
    金魚のフンのように五分ほど、後ろについて走ってみたけど、どうもスピードが遅いようなので、思い切って、抜かすことにした。
    (今、冷静に考えてみると、典型的な駄目パターンですね……)
    更にくるくる進んでいくと、
    今度はスキー場が出現。
    駐車場が見えたので、
    ここにも車は停められる模様。
    しかし、ここから先は進めない。
    通行規制のバーに塞がれ、
    監視員が見張りをしている。
    バスとタクシー、自転車以外は、
    通行止めとされているからだ。
    「今日はガスってないから楽だよ!」
    挨拶会釈を軽く交わして、
    関所の先へと車輪を進める。
    青々としたゲレンデに沿って、
    針葉樹林の坂道を走る。
    つづら折りのカーブを曲がって、
    うらびれたリフト台を潜り抜ける。
    うむむむ、そろそろキツくなってきた……。
    後ろのギアを一枚落として、
    ペダルを一段軽くする。
    勾配傾斜はゆるめだけれども、
    とにかく先が全然みえない。
    事前に仕入れた情報によると、
    頂上付近は森林限界。
    ハイマツ、コマクサ等が広がる、
    見晴らしの良い景色になるはず……。
    ……つまり、まだまだ、先は長そう。
    景色の変わらぬ山道を、延々、長々、低速で登る。
    速度を上げるとヘバリそうだから、
    ペースもずっと変わらないまま。
    野生動物の姿は見えない。
    時々、観光バスや、タクシーが中央ラインを割ってくる以外、路面を遮る物がなにもない、
    実に平和な環境だ。
    しかしそれでも、脚は疲れる。
    平和であろうがお構いなしに、
    心拍は上がり、肉は強張る。
    ペースも大分、下がってしまった。
    たまらずギアを落とそうとしたが……。
    あれ……?おかしいな?軽くならないぞ?
    残念なことに、既に最軽。
    これ以上、軽くならないとこまで、
    とっくにギアは下がり切っていた。
    うううう苦しい、これは苦しい。
    足の先端、つま先部分に、血がぐるぐると溜まってる気がする……。
    ここは一体どこなんだ……。
    頂上まではどれぐらいなんだ……。
    そもそも、何で、息を切らして、
    こんな山道を登ってるんだ……。
    そんな弱気に苛まれつつ、既に何度目かも判らない、右折カーブを曲がっていく……。
    ……と、唐突に、道の左側に、
    大ぶりな木の山小屋が現れた。
    喫茶、コーヒー、軽食の文字。
    扉は開かれ、ウェルカム。
    しかも灯りが点いている。
    もう完全に営業状態。これには少し驚いた。
    こんな山奥、辺鄙な場所に、
    どうして喫茶店があるのか?
    山猫、狐、狸の類に、化かされてるんじゃないだろうかと、酸素の足りない頭で考え、どうしようかと悩んだあげく、そのままスルーし、進むことにする。
    無謀だ馬鹿だと言えばそれまで。
    その通りだと自分も思うが、しかし、ここで休憩したら、地面に足を着くことになる。
    自分の中の目標設定。
    事前に密かに決めていた決意。
    「たとえ、タイムが遅くなろうとも、足を着かずに頂上を目指す」
    誰に約束したわけでもないが、一応、仮にも、決めたからには、出来るとこまで、頑張ってみる。
    途中で熊に襲われるとか、アクシデントが起これば別だが、そうでなければ走り続ける。
    孤独な趣味の世界だからこそ、
    そういう心構えが大切。
    たとえ、脚が引き攣っていても。
    いっそ襲って欲しいぞ、熊よ。
    まあまあ、それはそれとして、
    そろそろ尻が痛くなってきた。
    体重を掛けたサドルの部分。
    接着している座骨の二点が、
    ズキンズキンと騒ぎ出してきた。
    皮膚が擦れている感じじゃない。
    圧迫されて痛んでいるのか。
    普段、平地を走る際には、
    一度も感じたことのない痛み。
    パッド付きのサイクルパンツも、抜かりなく穿いているというのに、一体、どうしてこうなった。
    雨具を入れたウエストバックが、
    ここに来て、効いてきたということか?
    尻もキツイが太腿もキツイ。心拍数も鯉の滝登り。
    身体の三重苦を背負いつつ、
    それでも必死に脚を動かす。
    登っているとか、走っているとか、
    既にそういった感覚は消えた。
    とにかく脚を回転させる。
    座る位置を変え、痛みを誤魔化す。
    その二点だけを考えて、
    それ以外のことは全て追い出す。
    ……どれくらい走り続けたのだろう?
    気付くと、周囲の風景が、
    森から、荒れ地に様変わっていた。
    待ちに待った森林限界。
    ここまでくれば、後、もう少しだ。
    ぽつんと佇むバス停を横目に、
    今まで通りにひたすら回転。
    ごうごう流れる霧の塊に、
    頭を突っ込み、もがき続ける。
    チカチカ瞬く前方のライト。
    登坂を終えた自転車乗りが、
    軽快に脇を滑り降りていく。
    あと少しあと少しあと少しあと少し……。
    ……と。着いた〜!
    最後の坂を登り終えると、
    ぶわりと視界が一気に開けた。
    畳平とはよく言ったもので、
    本当に、広く、平らな一面。
    脚の疲れを一瞬忘れて、
    思わず、立ち漕ぎ、高速で駆ける。
    殺風景な灰色の中、青く輝く鶴ヶ池から、
    お疲れ様と言われた気がした。
    駐車場に停め、サイコンを確認。 
    到達タイムは……約110分。
    およそ1時間50分で、
    下から頂上まで来れたわけだ。
    これは遅いのか早いのか?
    調べてみないと判らないけれど、
    ここへ来るまでの過程からすると、
    恐らく、そんなに早くないだろう。
    まあ、初心者だし十分上等。
    結局、脚は一度も着かずに、
    上までバッチリ登坂出来たし。
    次回、再挑戦する際には、
    どれ程早くなっているのか……。
    モチベーションの種蒔き完了。
    また、楽しみがひとつ増えました。
  • 「お知らせ」
    ★第12回 クラフトピクニック。
    10月19日(土)20日(日)の二日間。
    長野県、松本市。
    あがたの森公園、芝生広場で行われるワークショップ主体のイベントに出店します。
    きんぴら工房は、手作り揚げパン教室を開く予定です。おひとり一回200円。是非。

    ★次回の東京朝市。
    10月27日(日)東京都、代々木公園。
    NHKホール脇のケヤキ通りにて。

    ★東京都内の卸先。
    毎週水曜午前着で、調布仙川の食糧品店『納々屋』さんに、パンを卸しています。
    欲しいパンの個人予約も可能。
    通販と違い、こちらは送料が掛かりませんので、お近くの方はオススメです。

    ★新規の卸先を募集いたします。
    パンの製造量に余裕が出来ましたので、新規の卸販売先を募集致します。
    電話は不在で出られない事が多いため、詳しい内容、問い合わせなどは、下記のメールアドレス宛にご連絡頂けると助かります。

    ★きんぴら農園ボランティアご案内。
    手伝い、ボランティアしたい方は、メールでお気軽にご連絡下さい。
    作業の内容や進み具合は、店長農園ブログをご覧ください。

    ★夜のマーケット参加者募集中
    毎年恒例、きんぴら工房の森で行われる夜のマーケットのお知らせ。
    10月13日(日)夕方4時から8時まで。
    出店参加料は売り上げの1割。
    たき火を囲んで、作家さん達と色んなお話が出来るイベントです。
    マーケット当日はパン祭りも行う予定。
    普段販売していない珍しいパンが並び、お値段も2割ほど安くなります。
    ※ポイントカードは使えません。
    ・6時からは無料で味噌汁をお出し致しますので、容器など持ってお越し下さい。
    新しい出店者や沢山のご来場者をお待ちしております。

    ★第4回、パン講習会開催。
    10月16日(水)午前10時〜
    参加費1500円(※材料代込み)
    うちのパンを取り扱ってもらっている、
    岡谷市のオーガニックマーケット、
    CAMBIOさんで、パン講習会を開催します。
    月に一度の予約制なので、参加希望の方はお早めにお問い合わせ下さい。

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