きんぴら通信。2013年3月号

  • 『我が家の車』 by店長
    我が家では軽自動車が3台あります。農林業に欠かせない軽トラと配達やイベント出店のために使っているワンボックス車と、妻である克子さん
    が使っているワンボックス車です。
    軽トラは13万円で購入し、配達用の車はカンビオさんから無料で譲り受けたもので、克子さんの車はイベントの時にやはり荷物を運べるようにとワンボックスで新車で購入したものです。
    今年は灯油もガソリンも値が上がり続ける一方で、できるだけ使わないようにとか、リッターあたりの燃費の事を考えるようにいっそうなっています。
    そんなおり、愛読書の食品と暮らしの安全で”低燃費競争の落とし穴”という見出しのページが有り読んでみるとそうだったのかと改めて車を見る目が変わったというわけです。
    それは電車で利用されている回生システムというブレーキ時のエネルギーをつかって電気を起こしバッテリーに蓄えるシステムを軽自動車にも使い始めたもので、それがそんなに良くはないぞというものなのです。
    走行のためだけでなく、エンジン回転を高めて電気をおこし、クーラーやその他電気で動く設備に使われます。回生システムによって得た電気はその負担を軽減してエンジン回転を高めなくても電気を間に合わせるというシステムだそうです。
    しかしながら一番燃費向上させている要因は軽量化とアイドリングストップ機能なのだそうで、一番軽いものは走行に関係ない贅沢機能設備がついていない安い車種なのです。どこのメーカーだろうと一番安いタイプが一番燃費がいいのです。

    回生システム機能付きの車には専用バッテリーが使われていて、そのバッテリーの保証は10万キロとなっていてそれ以降は交換時期となります。7万円だそうです。となるとこの車種の10万キロになろうかという中古車はある意味落とし穴車って具合なのかもしれんな。長い目で見るとエコカーは維持費が高く付くこともありますので、燃費だけ考えていては財布にありがたくないことに知らぬ間になる可能性があります。

    出来るだけ安く最新型の車を購入することが燃費よくお財布にも優しいということらしい。うちのは軽トラだけが比較的に軽いが、あとはカラで走ってもボディーが重いから燃費は悪い悪い。
    なんだか前回の冷蔵庫の話にも似ているなと思ったりした。古い中古車を買わずに思い切って安い新車を考えなきゃなぁ。
    だって、カンビオさんからもらった車は凹みえくぼも多いし、サビ模様もヒョウ柄みたいだし、もうすぐ20万キロ走るんだぜ〜。ってちょい、ふるぅ。
  • 『東京の風』 by葉
    あれはちょうど一週間前。
    2月24日、日曜日。
    東京都内の代々木公園へ、パンの販売に出かけて来ました。
    アースデイマーケット東京朝市。
    数年前から聞くようになった、生産者である農家自身が、直接お客さんとやり取りする、産直風味のイベントです。
    集合時間は朝8時。
    用意された竹製テントを各出店者が組み立てるため、早い時間に来てくれなくっちゃ困りますということらしい。
    長野県の塩尻市から、東京の代々木公園までは、高速でざっと4時間程度。
    午前8時から逆算すると……、出発時刻は早朝4時まえ。
    当日の朝にパンを焼き上げ、駆け付けるのはちょっとキツそうだ。
    仕方がないので、前日の午後。
    土曜日のうちに商品を作り、準備を整え、臨むことにした。
    ……と、そこまではまあ良かったのだけど、寒波で生地の発酵が遅れ、予定時刻を大幅オーバー。
    夕方6時で終わる予定が、結局、夜の10時を超えて、作業することになってしまった……うぐぅ。
    そんなこんなで、イベント当日。
    月が輝く、午前3時半。
    店長と二人、眠い目をこすり、荷物満載の車に乗って、東京目指して、いざ出発。
    「高速代を節約しようか」
    疲労困憊なんのその。
    マータイさんの基本方針、MOTTAINAI精神を遺憾無く発揮し、岡谷から諏訪、韮崎までは気合いを入れて下道を通り、道が悪くなる甲府あたりから高速に上がることにした。
    黒、青、金へと変わる空模様。
    眩い朝日に目をショボつかせて、談合坂を通り過ぎ、首都高付近で迷いながらも、なんとか無事に会場についた。
    時間は……、7時58分。
    よかった、何とか間に合った。
    ほうっと胸をなで下ろす。
    代々木公園といっても広い。
    東京朝市こと、今回の会場は、NHKホールの真横。
    ケヤキがそろえて植えられている、並木通りという場所だった。
    早速、テントを張ろうとするが、組み立て方がよく分からない。
    隣近所を見回してみても、未だにテントが張られていない。
    あれ?おかしいな……。
    事前渡された資料では、午前8時から初出店者向けにテントの設営説明会が行われるとか書いてあったけど……。
    周囲の様子に首を傾げつつ、仕方がないので、車を置いて、会場近くのコンビニに向かい、朝食がわりのおにぎりを買った。
    設営に遅れてはまずいと思い、急いで戻ってきたのだが、やはり、先程と変わらずに、場内に目立つ動きはなかった。
    というか、そもそも車が少ない。
    午前9時までは搬入のために、公園内に車を乗り入れても良いのだが、ざっと見た所、この時間から来ている出店者は五、六人。
    二十分ほど経った頃、ベテランであるお隣さんがおもむろにテントを組み立て始めたのを見て、自分たちもお手伝いして、設営手順を教えて貰った。
    結局、運営サイドからのテントの設営説明はなかった。
    「これなら少し遅れてきても良かったかな」
    そんな言葉を交わしつつ、荷物を降ろして、陳列開始。
    出店舗数は50前後。
    会場は人通りも多く、近くでフリマをやっている事もあって、集客数は相当なものだ。
    今回、販売したパンは、黒麦ぱん、黒食ぱん、保育ぱん、角食ぱん、あんぱん、りんごくりーむぱん、れーずんぱん、まめぱん、すなふきん、ゆでやきぱん、ゆでやきくるみ、いなか、どいなか、の計13種類。
    あんぱん等の菓子パンが多く売れるかと思いきや、意外と固いハードなパンが人気だったのは驚いた。幸い、当日は好天に恵まれて、春先のようにいい陽気だった。
    しかし、ケチはつくもので、どういうわけか風が吹き荒れ、テント、横幕がバタバタはためき、始終、ホコリが舞い上がっていた。
    「この公園は、いつもこんなに風があるんですか?」
    運営の方に尋ねてみると、
    「いえ、違います。今日は特別異常なんです」
    目をこすりながら肌寒そうに、そんな答えが返されてきた。
    客足の方もイマイチで、普段の半分程度なのだと残念そうな顔で言われたが、幸いパンは順調に捌け、終了となる午後の4時には、なんとか完売することが出来た。
    売り切れたのも嬉しかったが、何より有難かったのは、一度来店したお客さんが、「美味しかったから、また頂くわ」と、再びパンを買いに来てくれたことだ。
    こういう言葉を掛けて貰えると、それだけで、もう、感無量。
    これから先も、頑張って、いいものを届けたいと思える。

    その後、テントを片付けて、荷物を畳んで撤収した。
    帰りに、調布にある食品店、納々屋さんへと立ち寄ってみた。
    先日、知人の紹介できんぴら工房へと来店し、以来、うちのパンや小麦を取り扱って頂いている。
    初めて目にした納々屋さんは、商店街の片隅にある、とても魅力的な店だった。
    白を基調とした店内に、所狭しと並んだ品々。
    それらをひとつひとつ目にすれば、ここがとても貴重な店だと、語られずとも分かってしまう。
    地元の人に親しまれている。
    そんな空気が伝わってくる、なんとも素敵な店だった。
    温かいホットカシスを頂きながら、いろんな、話をさせていただいた。
    生活のこと。東京のこと。
    商売のこと。福島のこと。
    「全部をうまく回そうとしても、なかなか上手くはいかないよね」
    とか。
    「まあでも、なんだかんだと言っても、やれることをやるしかないよね」
    とか。
    そんなことを言い合いながら、笑って、その場を後にした。
    帰りは流石に遅かったので、最初から全部、高速に乗った。
    闇夜の中に浮かぶ中央道。
    オレンジ色に光る街灯。
    時折、無茶な追い越しをする車両の動きにヤキモキしたけど、最後まで事故も居眠りもなく、無事に自宅に戻って来られた。
    到着時刻は午後10時半。
    その日の夜はグッスリ眠れた。
    以上、出店報告終了。
    ここで締めてもいいのだけれども、もう少しだけ余計な話を書き綴りたいと思います。

    ここから先は現金な話。
    些か生々しい話題なので、そういうものが嫌いな方はどうぞ遠慮なく飛ばして下さい。

    さて、今回のイベントで手にした売上。
    原材料費や、光熱費、ガソリン代や高速代を、全て差し引いた純利益は、一体、いくら程度あったのか。
    それを、ここで計算し、書いてみようかと思います。
    パンの売り上げ金額は、約8万円。
    原材料費は、約2万円。
    光熱費、主にガス窯は、約2000円。
    参加費は、半スペースだったので8000円。
    ガソリン代は、約6000円。
    高速代は、約7000円。
    以上の額を差し引きすると、大凡、37000円。

    朝の4時から、夜の10時半。
    労働時間は18時間。
    プラス、前日の6時間。
    24時間で37000円。
    一人当たりだと、18500円。
    時給換算、770円。
    ……これは高いのか低いのか?
    土地によっても、人によっても、恐らく違ってくるのだろうけど。
    まあ、少なくとも、うちの場合。
    きんぴら工房としては高い。
    長野県の塩尻市、宗賀1021ー9。
    地元で地道に頑張っている、普段とは比べ物にならない。
    首都と地方の格差の開き。
    山と港との人口密度。
    そんな言葉が浮かぶ程度には、決して少なくない金額です。
    今回の販売の際、複数のお客さんから共通して言われたことがあります。
    それは「安いね」という言葉です。
    「普通、このパンの品質だったら、300円はとってるよ」
    150円のベーグルを見て、あるお客さんはそう指摘しました。
    確かに。
    東京の他のパン屋をみると、そのくらいの値で売られています。
    でもね。
    長野県にあるうちの店では、普段、今回と同じベーグルを120円で売ってるんですよ。
    ホームグラウンドである地元。
    中信地方の塩尻市では、それでも「高い」と敬遠されて、売れ残ったりするものなんです。
    東京都市部と、長野の田舎。
    ホントに参ってしまいますよね。
    120円で売っているものに、300円の値札をつける。
    罪悪感が押し寄せて、とても嫌な気分になります。
    普段の自分の価値観を、馬鹿にされてるような気がして、とても嫌な気分になります。
    とはいえ、悪いことばかりじゃない。
    時間と手間を余計に掛けて、地元を離れてモノを売ることは、決して虚しいことじゃない。
    自分たちが東京で商売することによって、高いところから低いところへとお金の流れが生じるならば、それは意義があることのはず。
    儲けることも時には必要。
    質の高いものを買いたくても、お金がなければとても買えない。
    自分の価値が認められないと、他人の価値も認められない。
    互いが互いを支え合う一歩。
    首都と地方の経済循環。
    そういう仕組みは確かに必要。
    そんな訳でこれから先も、東京近郊でのマーケットに、ちょくちょく参加するつもりです。
    ただ、次回は東京朝市ではなく、別のイベントに参加して、様子を見たいと画策中。
    ファーマーズマーケット@UNU。
    青山通り、国連大学前広場にて、毎週末に行われている、産直スタイルのイベントです。
    こちらの方が、テントや什器を用意しなくて済むようなので、気軽に参加出来そうな感じ。
    取り敢えず、3月17日(日)に参加希望を出してみたので、特にトラブル等がなければ、販売に向かう予定でいます。
    これを読んでくれている貴方が、長野県民か、東京都民か、それ以外かは分かりませんが、これから先も頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

  • 「お知らせ」
    ★きんぴら農園ボランティアご案内。
    ○そばの製粉 ○大豆の選粒作業
    ○田んぼの畦修理 ○きなこ作り
    ○干しりんご作り
    お手伝いしたい方のメールでのご連絡をお待ちしております。
    作業の進み具合は店長農園ブログをご覧ください。
    メール zouridaisuki@hotmail.co.jp

    ★自家栽培の大豆を使ったきな粉糖始めました。
    大量に作ることができませんので少量ずつ店頭に並べていきます。簡単なきなこトーストがおすすめですが、なにかお薦めレシピが御座いましたら是非情報をお寄せくださるか聞かせて下さい。
    100入り150円で販売しています。

    ★原材料に使っている牛乳が生活クラブの低温殺菌に変わりました。
    牛乳はその牛が食べる飼料が何かということがとても大切です。
    出来れば外国産でなく、国産のものを選びたい。
    原発事故の放射能。
    農薬だけにとどまらず、最近は遺伝子組み換え作物という新たな問題もあり、牛乳に対する健康リスクが一層、高まってきたと感じております。
    生活クラブの安曇野低温殺菌牛乳は、遺伝子組み換え飼料を一切使用せず、80%が安曇野市で栽培されたデントコーンという高品質。
    原乳の雑菌数もとても少なく、おすすめできる牛乳です。
     
    ★ネット販売のパンの値上げを致します。
    ホームページからの、通信販売価格を大幅に値上げ変更します。
    ただし、福島県、岩手県から注文された場合に限り、ネット上の4割引きで販売させて頂きます。

    もし、近隣にきんぴら工房のパンを扱っているお店があれば、そちらを通して予約されると、通常価格で送料もかからず、お得に買えるかと思います。

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