きんぴら通信。2013年7月号

  • 『日々の豊かさを追いもとめる』 by店長
    5月に続いて6月も毎日せっせと畑に出かけて作業をするも、なかなか区切りをつけて次の段階にと順調に農事は進まない。
    例年だとイベント過ぎの6月の一週目には田植えも終わり今頃は田んぼをーキングも終了を迎える時季となるが、今年はまだ田植えがすんでいない。
    田植え後半は7月7日の七夕に手植えでの予定として今お手伝いボランティアを募集しているところだ。
    ごまも種蒔き後の水不足で発芽せず幾日も続いた水まき作業も水の泡となり、結局畝立て種蒔きからやり直しをする羽目となった。
    昨年秋に葉君が種蒔きをしてくれた麦も黒小麦はほとんど発芽せず終了ゼロになりそうだったので、急遽ダメ元で4月になってから春蒔きを実行し、ただいま進行中という訳で、今年の農事はパンの合間にこなすという悠長な状態ではないという訳だ。
    そんな忙しいときに体を壊してはならないのだが、虫歯が3カ所見つかり歯医者へも通い始めた。
    食事を傷み無く気持ちよく良くかむ事が出来たなら
    仕事や体のつらさももう少し改善するのではないかと思ったりもするが、何事も日々の行いの表れなので余計な気持ちは切り捨ててすべてを受け入れて一つ一つ対処していくしかないのだろう。
    そんな忙しい中で昨年秋に蒔いて発芽しなかったインゲンが春先の水不足の時季に発芽してさやをつけだした。
    これは味噌汁に入れると緑の良い香りを醸し出してうまいのである。ところが朝収穫して食事に使うというゆとりがないのだった。
    家の者もこまめに畑に出かけて収穫をしてくれる訳でもなく、店長は仕事の合間に目の前の生の鞘豆を口にするばかりであった。
    作物を収穫し調理に使える状態にまでにするには大変な労力が要る。
    にもかかわらずできたものを食卓にまで持ってこれないというのは、あまりにも情けないというかやりがいのない事だなとつくづく思うのである。
    利用しての豊かさを心ゆくまで味わいたいのだが、悲しいかなそういうゆとりが今はないのである。
    そのインゲンだが、先日あまり利用しないうちに枯れたので片付けることにした。が、克子さんと一緒に収穫をしたのだった。さやの中の豆を取り出してグリンピースとして食べることにしたと言う訳だ。
    これで心の豊かさを取り戻せそうだ。

    さて、話は変わるが昨年秋にお米を売ったお金で何とか軽自動車の車検をうけたばかりの訳だが、友達から無料で譲り受けた軽ワゴン(リッター10キロ位)と自分で修理を繰り返しながらも利用していた軽トラ君(リッター15キロ位)をついに手放す事にした。
    少し前の通信にも書いたがアイドリングストップと軽量化で軽自動車はついにリッター30キロの世界に入った。が、エネルギーチャージャーの車はまだリチウム電池の生産段階や廃車の際のリサイクルに関しての使用エネルギーが多い事からまだ本当のエコとは言えないようだ。
    とにかく我が家では、燃費の悪い故障の多い自動車を買い換えるときが来ている気がしていた。
    普段使いに克子さんが良く乗るホンダバモスは店の商用専用にし、アイドリングストップ機能のついた例のリッター30キロ車をローンで購入した。
    (実際普通に乗って調べた所現在26キロ走っています)
    軽トラは今すごい状態になっている。2度も直しているマフラーにまた穴が開いてうるさくなっている。ルームライトはつかず、ラジオもなく、雨の日が多くなっているにも関わらずワイパーも壊れて動かないし、最近はダッシュボードのふたが落ちた。
    暖かい季節になったというのにアイドリングが高止まりとなっている始末だ。
    つい先日は不凍液の入っているはずのタンクが空っぽだったので足してみるとダダ漏れした。何でと思ってよく見ると風化してひび割れを起こしていた。一番困っているのは左側の荷台の扉がついに取れて落ちそうになってしまったことだった。後ろの扉と繋がっているときだけ安定して囲いの役目を果たしているという訳で、危ないったらない。
    この軽トラは総支払い額13万という安値で購入して3回車検を取って乗ってるのだから良く乗っている方だ。
    今回ついに車体価格19.9万「総支払い額31万)という上物をネットで見つけて中古で購入することにした。この軽トラは今と同じホンダで気に入っている点はエンジンが車体中央に有ることと、
    リアルタイム4WDと言って、タイヤが滑り始めると4駆になるシステムで、これがなかなかお気に入りなのである。
    平成12年車でガラスは紫外線カットで、AMラジオとパワステ機能がついている。今までのことを思うとできすぎ君である。握力の弱ってきたおいらにはパワステはホントに有り難い。
    今度こそ長く使えるだろうと期待している。
    ここからはおまけ文ですが、最近NHKで良く世論調査なるものが発表される。
    参院選が近いと言うことが影響していると思うが、見聞きする度にほんまかいなとあきれている。
    選挙に関して一番関心のある順番というのがやけにおかしい。
    一番は景気だそうだ。
    一番最後が憲法改正、最期から2番目がTPP,一体どうなってんだ?
    ほんとうなのか?この世論調査は。
    そう思うのはおいらだけなのだろうか。
    国民の人権よりもお金って訳ないだろうに、
    景気が悪い一番の原因は日本人のための製品を日本人が作っていないので仕事もないし、給料も低いのは明らかなのに、まだ企業と政治家たちは世界で一番もうけを取る競争に明け暮れ経済成長にお金と頭を使ってばかりいる。
    だから人件費の安い所へ行って薄利多売の商品ばかりに走り、所得の低い一般的な日本人のところへはお金という豊かさは回ってこないし、外国の安い商品価値の低いものを買って生活するしかないんだ。
    今よりももっと便利なものとか技術の高いものとか言うけれども、おいらには全く魅力的でもなく、必要のないものばかりが増えている気もする。
    いつまでたってもお金に頼らない本当の豊かさというものを学べない連中なんだなと、また世論も全く他力本願なんだなと思ってしまうである。
    政治に私たちの経済をゆだねるのはもう止めようや。お金は単なるお金であって価値というものは人が汗して作り出したものにしかないという基本を取り戻さなくてはいけない。
    金でばくちをして金を手にするという人がこれ以上増えない世の中になって貰いたいものだと…やっぱり思うのである。
    不便で質素な暮らし方には心の豊かさがなくては成り立たないと思っている。便利で贅沢な暮らしにはお金がなくては成り立たない。
    なにごともほどほどが良いのだ。
    政府や企業による資源や利権の取り合いが行われているが、それを正義や平和にすり替えあげて国民を戦争に巻き込まないでほしいと願うばかりだ。
    本当に心配してんだ。
  • 『NO!水省』 by葉
    小麦の価格が上昇している。
    今年に限った話ではなく、
    毎年、続けて、値上がりしている。
    輸入小麦の価格高騰。
    うちは国産100%だからと、
    素知らぬ顔ではいられない。
    現在、きんぴら工房で使用している、長野県産のパン用小麦も、以前と比べて、一袋あたり、
    170円値上がりとなった。
    それに伴い、パンの値段付け。販売価格も見直しを図り、実に16年ぶりの、値上げに踏み切ることになりました。
    16年前というと、1997年。
    ちょうど、今と同様に、消費税率が引き上げられて、5%にされた年ですね。
    それから、今年の春先までは、原材料価が上昇しようと、不況の波にさらされようとも、お値段そのまま据え置きで、天然酵母、高品質のパンを製造、焼いてきました。
    小麦高騰の理由は何なのか?
    オーストラリアの大干ばつ?
    アベノミクス効果?投機マネー?バイオ燃料?
    あるいは、遺伝子組み換え小麦の野生化を受けた輸入制限?
    どれも正解、どれも間違い。
    確かに、上記、ひとつひとつが理由となってはいるのだけれども、一番大きな原因は、日本の小麦の流通システムだ。
    小麦価格の維持制度。
    日本政府は小麦に対して、現在、252%の関税をかけている。
    5万円で買える小麦が、17万6千円になる。
    海外原価の三倍以上。
    これは相当高いハードル……かと思いきや、実はそうじゃない。
    国産小麦と、輸入小麦と、現在、どちらが安いかと言うと、実は、それほど大差ない。
    1トンあたりの取引価格。
    輸入小麦が、50130円。
    国産小麦が、51573円。
    (2012年10月時点)
    いや、ちょっと待って、それっておかしい。
    見渡す限りの大規模農業。効率重視の海外産より、小規模ながらも高品質な、国産の方が、お高いはずでしょ?
    普通は、みんなそう考えるし、実際、それは間違っていない。
    ではでは、なんでこうなってるのか?
    それは、隠れた仕組みがあるから。
    法に触れない裏口入学。
    抜け道、網抜け、裏技的な、手引き制度があるということ。
    まず、第一に、関税の穴。
    先ほど触れた小麦の関税。252%の網が、実は、一切掛かっていない。
    正確に言うと、あるにはあるけど、誰もそれを利用していない。
    日本政府の農水省が、まとめて無関税で買って、国内製粉業者に卸してくれるからです。
    当然、その際、手数料として、マークアップと呼ばれるマージン。小麦の国際取引相場の5割からおよそ6割を、原価に上乗せ、ぶんどっています。
    (5万円で仕入れたら、
    2万5千円足して、7万5千円)
    関税252%と比べて、10万円もお買い得。
    実質、日本の製粉会社は、政府から買う意外に、選択肢がないという状態。
    特別会計850億円。
    ビバ天下り、甘い汁。
    どこぞの電力会社よろしく、まあ、わかりやすい独占ですね。
    第二に、農家所得保障制度。
    一般的な基準としては、国産の小麦を1トン生産するのに、年間14万円の経費が掛かるそうです。(うちはそんなに掛かってないけど……)
    しかし、実際の取引価格は、
    国産小麦が51573円。
    51573−140000=……、
    もう、完全に赤字です。
    どう考えても成立不可能。割に合わない商売ですけど、それでも米を作らずに、小麦を栽培する農家はいる。
    何故かというと、所得保障。農水省から補助金が、10万円分貰えるからです。
    生産額260億円に対し、
    補助金総額1300億円。
    5倍以上の補助金だけれど、あれ?
    51573円の五倍というと……、25万以上になるよね?
    浮いたお金はどこにいったの……。
    ……まあ、言わなくても察せますよね。
    輸入小麦の関税を無視し、
    国産小麦を安く買い叩く。
    以上、二つの要因によって、
    日本の小麦は回ってる訳です。
    TPPの影響もあって、
    最近、よく聞く文句ですけど、
    『小麦農家は腐ってる』
    『補助金制度に頼って、怠けて、
    みんなの足を引っ張ってる』
    とか、どう考えても、的外れでしょう。
    そもそも、価格が安すぎるだけ。
    きちんと関税が機能していさえすれば、国産小麦の取引価格は、もっと、上昇するはずなんです。
    小麦農家の怠慢ではなく、
    農水省のカツアゲですよ。
    農家が自力でやってけないから、補助金を貰っているんじゃない。
    社会に対価を巻き上げられて、そこから小金を落とされてるんだ。
    実際、輸入小麦のマージン。卸売りの際、徴収している農水省のマークアップは、「国産小麦農家の支援」を名目として謳ってますしね。
    マッチポンプもいいところ。
    余計なお世話様だと言いたい。
    加害者なのに救助者ぶるとか、冗談きついし、ホント止めてほしい。
    最初の話に戻りますけど、今回、小麦が値上がりしたのも、農水省が卸価格を10%引き上げたからです。
    まったくもって自由闊達。
    消費税とか目じゃないですよねー。
    まあ、そんな背景もありまして、きんぴら工房のパンの価格も、引き上げざるを得ない状況。
    うちでは、小麦をおよそ一町歩。
    年間、一トン収穫してますが、戸別所得保障の類いは、一切合切、受け取ってません。
    補助金を申請して、パンの値段を下げるのと、
    補助金を辞退して、値上げするのと、
    貴方はどっちが良いと思いますか?
  • 「お知らせ」
    ★東京朝市、みたび。
    7月21日(日)
    東京都、代々木公園。
    NHKホール脇のケヤキ通りにて、パンの出張販売をします。

    ★臨時休業のおしらせ。
    上記と同じ、7月21日(日)。
    親戚の結婚式に参加するため、店の営業をお休みします。
    ※20日、土曜は開店します。
    また、松本のアルプス市場にも、通常通り、配達します。

    ★東京都内の卸先。
    毎週水曜午前着で、調布の食糧品店『納々屋』さんに、うちのパンを卸しています。
    欲しいパンの個人予約も可能。
    通販と違い、こちらは送料が掛かりませんので、お近くの方はオススメです。

    ★グリーンファームで販売開始。
    長野県伊那の産直市場、『グリーンファーム』さんで、パンを販売させて頂けることになりました。
    今のところ週2回。
    水曜、土曜にお届け予定。
    売れ行きに合わせて、種類、数量を調整していく予定ですので、ご協力をお願いします。

    ★減糖ワッフルはじめました。
    「甘くないワッフルが食べたいんだ……」
    そんな自己願望を満たすべく、バターも卵も使わない、甘さ控えめワッフルを作ってみました。
    甘々ホットケーキと違って、これなら、メープルシロップをたらふく掛けても大丈夫?
    もっちりとしたパンタイプなので、トマトにレタス、ハム等を挟み、サンドイッチにしても美味しい。
    あの格子状の凹凸が、うまい具合に滑り止めになり、意外と食べやすかったりしますよ。

    ★きんぴら農園ボランティアご案内。
    ○7月7日以後のお天気の良い日を見て麦刈り作業を開始いたします。
    手伝い、ボランティアしたい方は、メールでお気軽にご連絡下さい。
    作業の進み具合は、店長農園ブログをご覧ください。
    メール zouridaisuki@hotmail.co.jp

    ★原材料に使っている牛乳が生活クラブの低温殺菌に変わりました。
    牛乳はその牛が食べる飼料が何かということがとても大切です。
    出来れば外国産でなく、国産のものを選びたい。
    原発事故の放射能。
    農薬だけにとどまらず、最近は遺伝子組み換え作物という新たな問題もあり、牛乳に対する健康リスクが一層、高まってきたと感じております。
    生活クラブの安曇野低温殺菌牛乳は、搾乳期に遺伝子組み換え飼料を与えず、独自の放射能検査も行っているこだわりの一品。
    原乳の雑菌数もとても少なく、おすすめできる牛乳です。

    ★ネット販売のパンの値上げを致しました。
    通信販売の価格を50円ずつ加算しました。
    ※ただし、福島県、岩手県へと注文、発送された場合に限り、ネット上の3割引きで販売させて頂きます。

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